英文学科とは
英文学科で学ぶこと
学びの領域
英米文学〈イギリス文学・文化〉〈アメリカ文学・文化〉
イギリスとアメリカにおける、それぞれの国の歴史を踏まえた文学や女性文学のほか、民族や映画、音楽などの文化など、幅広い分野を研究対象とします。
英語学
英語という言葉について学ぶ領域です。語学としての英語ではなく、英語の発音、単語や文法、文脈の成り立ちなど、言葉としての英語の疑問を解き明かします。
語学演習
「読む、聴く、話す、書く」といった英語の4技能のスキルを高め、自分の考えを英語で表現するためのプレゼンテーション能力も磨きます。
学科主任メッセージ
英文学科での学び——多様な文化・言語を学ぶということ

主任 佐々木真理
英文学科には大きく2つの学びの目標があります。ひとつは、英語力の向上です。英語で情報を収集し分析を行い(英語を「読む」「聞く」)、そして自らの考察や意見を英語によって発信できる(英語で「書く」「話す」)ようになることを目指しています。もうひとつの目標は、英語圏の文学・文化、そして英語学に関する幅広い知識を身につけ理解を深めることで、文化の多様性を理解し、さまざまな形で社会に貢献できるような力を身につけることです。
さて、では、いったいなぜこのような事柄が、大学での学びの目標となるのでしょうか。言い換えるならば、なぜ英語力を向上させ、異なる文化や言語を学ぶ必要があるのでしょうか。いったい、何のために? もちろん、答えはひとつではありません。人それぞれに、それぞれの答えがあるのかもしれません。私が考えるひとつの答えは、自分に見えている世界とは異なる世界を見ている人がいるということを知り、そのように異なる景色に生きる人とも、共に生きるために手を差し伸べられるような能力と精神を培うため、というものです。私たちの暮らすこの世界には、ごく身近な場所の中にも、そしてもちろん遠く離れた異なる文化を持つ国との間にも、さまざまな違いがあります。多様性と一言で言ってしまえるその違いを、そのまま差異として受け入れることは実は難しいことです。時として、違っていることがそのまま差別や抑圧の理由にされてしまうものです。その結果、これまでの歴史が示しているように、多くの人々が分断され、悲惨な争いによって過酷な人生を送ることを余儀なくされてきましたし、今も世界の各地でそのような状況は続いています。そういった状況に抗うことは困難なことでもありますが、私たちが、自分の世界だけではない、異なる景色を見るために異なる文化や言語を学ぶということは、分断へとつながってしまうような状況に直面したときに、正しく対処しようとする態度を身につけることへつながるのではないでしょうか。
英文学科ではこのように大きな目標を掲げつつ、日々の学びを大切にしています。少人数のレベル別クラスによる英語の授業においても、英語圏の文学・文化、そして英語学といった専門分野の授業においても、学生の皆さんが主体となって、自ら調べ考え発表する、そして教員やクラスメートと話し合い、意見を述べ合う、そのような過程を大切にしながら、大学を卒業後も、自信と志を持って自分の人生を生きていける人に育ってほしいと願っています。
英文学科の学びの特徴
英文学科では、英語と専門分野の双方を、車の両輪のように連動させながら学びます。教育の理念や学科運営の方針については、次のように文書化しています。
英語力強化
英語の基礎力養成、4技能(読む、書く、聞く、話す)の強化とともに、英語をさまざまな角度から学ぶことができます。

(科目例)
「ベイシック・イングリッシュab」
「オーラル・イングリッシュab」
「パラグラフ・ライティングab」
「インテンシヴ・リーディングab」
「翻訳演習」
「多読演習」
「児童英語演習」
レベル別クラスで、語学力を育成
各種の英語演習では、ITPテスト(TOEFL-ITP)を行い、その結果に従って能力別にクラス編成を行っていますので、少人数クラスでの自分のレベルにあった学習が可能です。
1年次と2年次では、語彙力、文法、構文、文脈の理解、文化の違いを学ぶことによって英語の読解力の向上を目指します。それとともに、英語を用いて発信する力を養います。ネイティブ・スピーカーの授業では、文章あるいは口頭による表現といったコミュニケーション能力を高めることができます。また、英語以外の外国語として、フランス語、ドイツ語、中国語、コリア語のいずれかを学びます。
さらに、TOEIC受験を目指したい、英字新聞や雑誌を読みたい、翻訳の技法を学びたい、という人のためには、それぞれ専門演習が開講されています。
女性をテーマとする科目群
「女性」を共通テーマに、イギリス文学・文化、アメリカ文学・文化、英語学の三分野を横断して学ぶことができます。
「女性と英語圏文学a」(イギリス文学・文化)
「女性と英語圏文学b」(アメリカ文学・文化)
「女性と言語学」(英語学)
セミナーの充実
少人数制授業のセミナーにより、1年次から4年次まで、きめ細かく系統的な教育指導を受けられます。また学びの道筋が明確になります。

1年次前期「実践入門セミナー」(大学教育への導入)
後期「英文入門セミナー」(学科専門科目への導入)
↓
3年次前期「プレセミナー」(卒論準備段階)
↓
4年次前期「卒論セミナーa」(卒業論文指導)
後期「卒論セミナーb」(個人面談・添削指導)
1年次から基礎力を育成
1年次の「実践入門セミナー」および「英文入門セミナー」では、大学で学んでいく上で必要となる事柄と、英文学科の学生として専門的な研究に入るための基礎力を、プレゼンテーションやディスカッションなどを通じて、少人数のセミナー方式で育成します。具体的には、英文科の各専門分野の特徴を学びながら、図書館などを利用した文献資料の検索方法・プレゼンテーションやレポートなど、文章作成の方法を身につけます。さらに、専門文献の読解と利用法を通して、専門分野の研究の基礎となるように、イギリス・アメリカの文化・思想・言語・文学の流れを広く学びます。
専門分野の研究
英文学科には、イギリス文学・文化、アメリカ文学・文化、英語学の三分野があります。イギリス文学・文化、アメリカ文学・文化では、それぞれの国の歴史を踏まえた文学を初めとして、女性文学、民族、映像や音楽などの文化研究に至るまで、幅広い分野を扱います。英語学では英語ということばをめぐって、英語の発音面、語や文の成り立ち、英語の歴史などの研究などが行われます。
資格
中学高校の英語教員免許・図書館司書・司書教諭・博物館学芸員の資格を取得できます(ただし、これらの資格取得のためには、きちんとした履修計画を立てる必要があります)。幼児英語教育・日本語教育などの授業もあります。また、多くの学生がTOEFL・英検などに積極的に挑戦しています。
学会リンク集
英文科の教員たちが、会員となって活動している学会のホームページです。本格的な学問の世界をのぞいてみませんか。
イギリス文学・文化
- 日本中世英語英文学会
- The New Chaucer Society(国際チョーサー学会)
- The British Society for Eighteenth-Century Studies
- 日本ジョンソン協会
- 日本ギャスケル協会
- 日本ハーディ協会
- イギリス・ロマン派学会
- 日本ヴィクトリア朝文化研究学会
- イギリス女性史研究会
アメリカ文学・文化
- 日本アメリカ文学会
- 筑波大学アメリカ文学会
- 日本ソロー学会
- 日本ウィリアム・フォークナー協会
- 日本ジョン・スタインベック協会
- The Toni Morrison Society
- アメリカ学会
- 黒人研究学会