【生活心理専攻】「何と交換する?」 物々交換から考える資源配分と意思決定
「生活経済学」(担当:髙橋)では、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社より飯村隆太氏と髙橋真一氏を講師としてお招きし、「お金とインフレについて考える」をテーマに、全2回の特別講義を実施しました。今回は、第1日目の「物々交換ゲーム」(2026年10月1日)の様子をご紹介いたします。
第1日目は、履修学生50名を10チームに分け、「物々交換ゲーム」を行いました。各チームに配られたのは牛肉、魚、野菜(根菜)、米、塩・胡椒などの食材カード8枚。これらの食材カードを使って、できるだけ「美味しそうな料理」を考案することがミッションです。しかし、各グループに配られたカードは、タンパク質ばかりだったり、逆に炭水化物ばかりだったり、あるいは調味料が不足していたりと、決してバランスのよい組み合わせではありません。そこで、チーム間で物々交換を行い、必要な食材を集めていきます。「物々交換」ですから、必ずしも1対1で交換する必要はないこと、また大切な物資であるので無料で贈呈するのはNG、というルールで1回目の物々交換がスタートしました。
ところが、ここで世代間の違いが見えてきました。昭和世代にとって「物々交換」といえば、カードはできるだけ相手に見せず、「これは相手にとってどれくらい価値があるのか」を考えながら、少しでも有利な条件で交換しようとするものです。ところが、平成生まれの学生たちは、カードを堂々と公開して、「どれが欲しい?」と声を掛け合っています。なんともオープンで、実におおらかな物々交換でした。
2回目の物々交換では、「銀行」が登場しました。食材カードにはそれぞれ定価が設定されており、売買計画用紙をもとに、銀行で食材を売って紙幣に換え、その資金で銀行から欲しい食材を購入することもできる仕組みです。すると今度は学生たちが一斉に銀行へ向かい、自分たちの持っている食材を売り、お金に換えて必要な食材を購入していきます。一方で、売買計画用紙に記載された定価を参考に、チーム間で物々交換を続けるグループもありました。その結果、あるチームはステーキをメインディッシュとするフルコース、別のチームは握り寿司のフルコース、さらにハンバーグや鍋料理など、実に多様で魅力的なメニューが完成しました。
このゲームは、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社様が独自に考案されたもので、交換を通じて「何が自分たちにとって必要なのか」「相手にとっての価値は何か」「限られた資源をどのように配分するか」を考えながら、チームで意思決定を行います。単に楽しむだけではなく、学生が自然に経済や意思決定について考えることができるよう、教育的な工夫が随所に凝らされた興味深いゲームだと感じました。そして何より嬉しかったのは、学生たちが本当に活き活きと、楽しそうに授業に参加していたことです。講師の先生からマイクを向けられ、「どうでしたか?」と尋ねられても、10チームすべての学生さんが臆することなく、堂々と自分の意見や感想を述べていました。普段の講義で見る学生さんとはまた違った姿に触れ、新たな一面を発見できたように感じます。担当教員としても大変嬉しく、誇らしい時間を過ごさせていただきました。
この講義は、本学理事長・木島葉子先生のご紹介をきっかけに渋谷キャンパスで開講され、深澤先生の授業でも実施されました。そして深澤先生からご紹介いただき、日野キャンパスで実施の運びとなったものです。当日はご多忙の中、理事長先生にも授業をご参観いただきましたことに心より御礼申し上げます。学生たちの生き生きとした姿をご覧いただけたことを大変嬉しく思っております。
次回は、「チョコレートのオークション」で、今度は「チームで競っていただきます」とのことです。物々交換では協力しながら楽しんでいた学生たちが、次回はどのような戦略を立て、どのような姿を見せてくれるのでしょうか。次回は、競い合う学生たちの様子をご報告したいと思います。
(文責:髙橋 桂子)







