【幼児保育専攻】海の向こうの子どもたち
9月某日から9日間、JICA「就学前の教育と保育の質向上プロジェクト フェーズ2」の専門家として、エジプトへ行ってきました。今回の私の役割は、「保育者の学び合い・省察実践・Continuing Professional Development(CPD)」を担当し、現地の保育に携わる方々を支える研修プログラムをつくることです。
エジプトでは、保育園で子どもたちの保育にあたる方々の多くが、日本の保育士のような資格を持っているわけではありません。プロジェクトでは、そうした保育従事者を「ファシリテーター」、その方々を現場で支え、研修する役割を担う人を「フィールド・トレーナー」と呼んでいます。今回は、このフィールド・トレーナーを養成する研修プログラムづくりに関わりました。
活動初日は、朝7時半にホテルを出発し、地中海に面したPort Saidへ。3つの保育園を訪問し、子どもたちやファシリテーターの皆さんの様子を見せていただきました。私にとっては、実に25年ぶりのエジプトです。まずは今の保育を知ることから。子どもたちの姿や、ファシリテーターの皆さんの関わりに触れ、嬉しい驚きや新しい発見がいくつもありました。
翌日からは、新首都にある社会連帯省のオフィスで教材開発です。ご一緒したのは、カイロ大学、ニューバレー大学の先生方と、フィールド・トレーナーを代表するお二人の先生方。指導案の立て方、実践後の振り返り、日誌などの保育記録を中心に、一緒に教材をつくりました。私から日本での授業や実践を紹介すると、「エジプトではどうだろう」「この方法なら現場で使いやすいのでは」と、次々にアイデアが出てきます。日本の方法をそのまま持ち込むのではなく、エジプトの文化や社会的背景、実際の保育現場に合うものへと一緒につくり変えていく。その時間は、私にとっても学びの連続でした。
何より、ご一緒した皆さんが本当に気さくで温かい方ばかり。「子どもたちのために、保育をもっと良くしたい。」…話をしていると、その思いが自然と伝わってきます。国も言葉も異なるのに、保育について語り始めると、不思議なくらい通じ合うものがある。最後にはみんなで食事にも出かけ、たくさん笑い、楽しい時間を過ごしました。
最終日にはSuezにも足を運び、9日間の活動を終えました。今回一緒につくったプログラムは、12月に再びエジプトを訪れる際、先生方の手によって実際の研修で使われる予定です。どのような研修になり、どのような対話が生まれるのか。今からとても楽しみです。
「保育をもっと良くしたい」という思いを分かち合い、私自身も多くのことを学んだ9日間。海の向こうにも、子どもたちの育ちを願い、より良い保育を目指す仲間に恵まれたことを幸せに思います。
クリスマスの頃、また皆さんに会えるのがとても楽しみです。
(文責:野尻 美枝)







