2015年12月
実践英文学会講演会「小説と想像力」
12月2日(水)、実践英文学会の講演会が開催され、作家のレアード・ハント氏と古川日出男氏、翻訳家の柴田元幸氏の3名の講師に「小説と想像力」というテーマで対談いただきました。作家のお二人からは、小説を書き始めた頃のご自身をとりまく状況や、その当時抱いていた思い、また、ご自身の代表作が生まれた背景などのお話を、思う存分お聞きできました。中でも、小説を書き始める際の「小説のvoiceが届くのを待つ」というお話が印象的でした。1人称の文体で語るのか、3人称の文体で語るのか、誰に物語を語らせるのか、ということを決定づける「小説の声」。それを受け取り、言葉に身を投じていくという、小説家の言葉への思いを垣間見ることができたような気がします。また、作家・翻訳家ご自身が著作を朗読してくださるのを聞くという、とても貴重なひとときもありました。声色を使い分ける演劇さながらの語りに、会場全体が圧倒され、引き込まれていきました。書き手の方が聞いた「小説の声」を、共有できたように思えたのでした。
当日は大盛況で、平日の昼過ぎだったにも関わらず、約120名の方がご参加くださり、質疑応答も活発に行なわれました。参加者の方にお願いしたアンケートを拝見していても、今回の講演会は大好評でした。また来年度以降も、魅力的な講演会を計画していきたいと思います。今後もぜひお気軽にご参加ください。
記・吉本真由美