幼児期における「自然体験」の大切さ —実践フィールドビンゴでキャンパス散策をしよう—
幼児期は、人の一生のなかでもとりわけ感覚がひらかれ、世界を全身で受けとめる時期です。この時期にどのような環境に身を置くかは、後の認知や情動、対人関係の基盤形成に大きな影響を与えます。そのなかで近年あらためて注目されているのが、幼児の自然体験です。
自然のなかでは、遊びが常に予測不能であり、でこぼこした地面、ぬかるみ、風の強さ、虫の動き、木の葉の感触——これらはすべて、室内環境では得がたい多様な刺激です。幼児はそうした刺激を五感で受けとめながら、自分の身体をどのように使えばよいかを試行錯誤します。これは感覚統合や身体認知の発達を促し、「自分のからだで世界と関わる」実感を育てる重要な経験となると考えられます。
現代社会では、安全や効率が重視される一方で、幼児が自然に触れる機会は減少しつつあります。しかし、自然体験とは特別な場所へ出かけることだけを指すのではなく、身近な公園、園庭の土や草花、季節の変化に気づくことも、十分に価値ある自然体験と言えます。
幼児にとって自然は、単なる遊びの場ではなく、感じ、考え、つながり、自分を育てるための「生きた環境」であって、私たち大人は、子どもが自然と出会い、関わり、そこから何かを得ていく過程を、急がせず、奪わず、そっと支えていく存在であり続けたいですね。
上述した問題意識から、教育心理学研究室では日野キャンパスの豊かな自然環境を活用した、実践フィールドビンゴを作成しました。近隣の子どもたちだけではなく、普段キャンパス生活を送っている学生・教職員の皆さんにも、ふと立ち止まって身近な植物・生物に目を向けていただければと思います。
(文責:八木 孝憲)







