人間社会学部の学び
人を知り、社会を知り、ビジネスを学んで、よりよい未来をデザインする
人間社会学部は、2004(平成16)年に開設された新しい学部であり、実践女子大学においてはじめて創設された社会系学部です。学部創設当初は、人間社会学科1学科でしたが、2011(平成23)年に現代社会学科が新設され、ビジネス分野が拡充しました。
女子大学は長い間、女性に高等教育を保障し、女性の社会的地位の向上をはかるという重要な役割を担ってきました。そうした中、本学の人間社会学部は、ビジネス分野をはじめ、様々な分野への女性の社会進出を一層促進するために誕生しました。
日本社会では、明治以降の近代化とともに、男性は外(会社)、女性は内(家庭)という「性別役割分業」体制が形成され、社会全般に広がってきました。そのため、女性は長い間、家庭内で「主婦」や「母」の役割を担い、家庭の外では保育・教育・看護・介護という「ケア労働」を担ってきました。女性が果たしてきたこれらの役割や労働は、家庭と社会を支えるエッセンシャル・ワークとして大変重要なものですが、他方で、そのことが男女の経済的・社会的格差・差別(ジェンダー不平等)と女性の貧困を招いてきました。
こうした問題はずいぶん前から指摘されてきたことですが、これまではなかなか解決には向かいませんでした。しかし、21世紀の社会は、いよいよ性別役割分業体制が崩れ、男女ともに働き、家庭責任とケア労働を担う社会になっていくでしょう。
それは少子化が進み、女性労働が求められる時代になったからだけではありません。日本社会は世界的に見ると、男女格差がきわめて大きな国ですが、そうした男女の格差自体が、許容されえないジェンダー不平等として捉えられる時代になったからです。
国連が推進するSDGs(Sustainable Development Goals)は、「ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女子のエンパワーメントを図る」ことを目標に掲げています。女性の社会進出を促進するために誕生した人間社会学部は、女性が持てる力を発揮することのできる未来をデザインし、学生のみなさんがそうした社会で活躍できるようエンパワーメントします。
人間社会学部の特徴
人間社会学部のカリキュラムは、「社会で活躍する女性になりたい」と思う学生のみなさんが自分のキャリアを切り拓くことができるよう、様々な学びの工夫がなされています。その主な特徴は以下の通りです。
- 1年次は学部に所属、2年次から学科に所属
- 人間社会学部の1年生は学部に所属し、全員が学部の「基礎科目」を学びます。基礎科目では本学部で学ぶ幅広い学問分野の導入として、人間社会学入門をはじめ、心理学、コミュニケーション、社会学、法律学、経済学、経営学、社会と統計などの概論を学びます。これらを学ぶ中で、自分の関心のある専門分野を見出し、1年の終わりに学科を選びます。
- 多様な専門科目を多角的・総合的に学ぶ
- 2年次以降、人間と社会とビジネスに関する多様な「基幹科目」と「展開・応用科目」を学びます。展開・応用科目は、3学科は次のそれぞれの科目群で専門分野を深め、これらの学修を通じて自分の専門性を高めていきます。また、自分の学科の科目だけでなく、他学科の科目も履修することができるため、多様な専門科目の中から自分のキャリアに合わせてカリキュラムを組むことができます。
人間社会学科
人間と社会と文化の在り方を理解し、新しい価値観を創造する「社会系」、「心理学系」、「地域・文化系」の科目群
ビジネス社会学科
ビジネスで社会を変え、新時代のキャリアを描く「経営・マーケティング系」、「社会フレーム系」、「グローバル・社会系」の科目群
社会デザイン学科
この先の社会を、デザインする「共創デザイン系」、「ソーシャル・データサイエンス系」、「メディア・イノベーション系」の科目群
- アクティブ・ラーニングが充実
- 人間社会学部では、講義を通して知識を得るだけでなく、アクティブ・ラーニングを通じて、実践力と問題解決能力を高めます。企業や自治体と連携したPBL(Project Based Learning)や、外部コンテストへの参加、異文化交流など、さまざまなアクティブ・ラーニングに参加することができます。
- 1年次から4年次までゼミナールで学ぶ
- 人間社会学部では、1年次と2年次は基礎ゼミに所属します。そこで、レポートの書き方やプレゼンテーションの仕方など、大学での学ぶための方法(アカデミック・スキル)を身につけます。
3年次と4年次は専門ゼミに所属し、専門知識やスキル、実践力を習得します。また、4年間の集大成として、全員がそれぞれの研究関心に基づいて卒業論文を執筆します。
- キャリア形成のための資格取得の支援
- 人間社会学部では、TOEIC、英検、公認心理師、認定心理士、社会調査士、IT パスポート、統計検定、など、様々な資格の取得を促進し、大学卒業後のキャリア形成を支援しています。