
特集① 清泉女子大学 図書館見学記
昨年度に引き続き、協定校図書館特集の第4弾として見学会を企画しました。
この企画は、各館の特徴や様子を知ることで、今後の相互利用の促進を目指すもので、図書館学生スタッフ「ららすた」の研修も兼ねています。
今回は、2018年度に締結した利用協定により、実践女子大学所属者も利用が可能となっている清泉女子大学の附属図書館を訪問させていただきました。
協定校図書館を利用する際は、教職員証や学生証を提示することで入館し、利用することができます。
この機会に協定校の図書館のことを知り、積極的に利用してみてはいかがでしょうか。
訪問館:清泉女子大学附属図書館
訪問日:2026年7月30日(木) 13:00~15:00
参加人数:清泉女子大学 ライブラリーサポーターズ6名 職員3名
実践女子大学 ららすた7名 職員4名
スケジュール:学生スタッフ交流会:自己紹介および活動紹介(会場:2号館1階教室)
図書館ツアー(附属図書館)
懇談会(会場:2号館1階教室)
旧島津家本邸(清泉女子大学本館)
清泉女子大学と附属図書館について
清泉女子大学は、東京都品川区東五反田(通称・島津山)にあるカトリック系の私立女子大学です。1950年に開学し、キリスト教ヒューマニズムの精神に基づく少人数教育を特徴とし、2024年度までの文学部のみ1学部体制から2学部に移行し、2025年入学生から「総合文化学部」「地球市民学部」の2学部体制での実践的な学びを実施しています。
歴史あるキャンパスの中心である大学本館(旧島津家本邸)は、イギリス人建築家ジョサイア・コンドルによって設計された歴史的建造物で、国の重要文化財に指定されています。五反田・品川・大崎の各駅から徒歩圏内という都心の立地でありながら、緑豊かで落ち着いた学習環境が整っています。
附属図書館は地上2階、地下2階建てで、蔵書は約37万冊です。キリスト教関連やスペイン語の文献が非常に充実しており、全洋書のうち約40%をスペイン語図書が占めているのが大きな特徴です。
7月30日(木)当日は、炎天下で気温も35度を超える猛暑の中、同大学の2号館1階で職員・学生の皆さんにお迎えいただきました。
清泉女子大学附属図書館正面
1.学生スタッフ交流会:自己紹介および活動紹介
教室に入ると、黒板には「ようこそ ららすたさん」の大きな文字が!
その隣には、本学図書館キャラクターの「美々子」と「亀本さん」も描かれており、感激です。
清泉女子大学附属図書館のライブラリーサポーターズ(文中以降「LS」という)と、実践女子大学図書館学生スタッフ「ららすた」との交流会が始まりました。交流会の司会を務めたのは、LSの1年生です。
司会の進行のもと、参加者はそれぞれ自己紹介を行うとともに、自身の意外な一面について語りました。一人ひとりが紹介し合うことで、互いへの理解が深まり、共感の輪が広がっていきました。
次に両大学の代表者から活動内容の紹介が行われました。
LSは、多くの学生に図書館に親しんでもらうため、イベントの企画と実行、おすすめ本の紹介、他大学図書館学生スタッフとの交流会の開催、中学生の職場体験のサポートなど、魅力的な図書館を目指す活動をしています。在学生が新入生歓迎会での勧誘活動や館内掲示による周知に力を入れて取り組んだ結果、多くの1年生が新たに加わり、メンバーの活力も一層高まって、活動の幅が大きく広がりました。現在は企画班を中心に、さまざまな活動が企画されているとのことでした。
力を入れたイベントとして紹介されたのは、毎年恒例の「本の福袋」の展示と貸出しの工夫です。従来は中に入っている本の中身を明かしていなかったそうです。しかし昨年度はテーマを設定し、それぞれの本にキーワードを添えることで、おおよその内容が分かるよう変更した結果、多くの貸出しにつながったとのことでした。
続いて「ららすた」の活動紹介が、代表者によって行われました。参加した両大学の学生スタッフは、それぞれの活動内容に多くの共通点を見いだし、親近感を深める機会となったことでしょう。
2.図書館ツアー
図書館本館
続いて図書館へ移動し、LSの案内のもと、図書館見学が始まりました。図書館施設は本館と別館の2つの建物からなっています。 図書館本館は地上2階と地下2階の4層構造になっています。本館と別館の間には、ライティングアドバイザーデスクが設置されています。
図書館の概要として、1階にはカウンター、NDCでいう0類の本(総記と図書館情報学関係本)、参考図書、新着雑誌・新聞、指定図書、多読(英語・スペイン語)、資格・検定・旅行本、データサイエンスコーナーが配置されています。2階には、哲学、心理学、宗教、キリスト教、スペイン史を含む歴史・地理、文庫・新書コーナーがあり、また2室のグループ学習室が設置されています。
一方、地下1階には、社会科学、自然科学、技術、産業、スポーツ、語学の本が、地下2階には文学関係の本、雑誌バックナンバー、貴重書が配置され、特別閲覧室が設置されています。
1階の⾒学に⼊りました。すぐに展⽰ケースと展示棚が来館者を迎えてくれます。展⽰ケースでは、「ちりめん本の世界:英語版とスペイン語版で読む「日本昔噺」」をテーマに、欧文和装の絵本を展示していました。また、展示棚では、司書課程履修学生がオープンキャンパスで来館する高校生に向けて、「精読・通読 — 生成AIをどう使う?」をテーマに、生成AIによる要約と学生自身が作成した要約を比較し、生成AIとの向き合い方を考える展示が行われていました。さらに、フロア右のスペースでは、司書課程履修生が選書した総合文化学部・地球市民学部の学びに関する図書を紹介した「領域別展示」も目を引きました。
2階に上がると、書架だけでなく、開放的な閲覧席が広がっています。自然光を豊かに取り入れる設計となっており、落ち着いて読書や自習ができる環境が整えられていました。グループ学習室は2室設けられており、また館内資料搬送用のリフトは、本学の学生(ららすた)にとっては、目新しく映ったことでしょう。引き続き、地下1階、地下2階に移動し見学を続けました。
図書館別館
別館は地下1階と2階の地下書庫から成ります。
冒頭に書いたように清泉女子大学附属図書館の総蔵書数約37万冊のうち、スペインで創立された修道会を母体とする背景から、スペイン語図書が全洋書の約40%を占める高い割合が特徴です。別館の地下1階はスペイン語図書、洋雑誌、中国語図書が、地下2階はスペイン語以外の洋図書、中国語雑誌が並んでいます。外国の資料の集積するこれらの地下書庫は同館のもう一つの心臓部とも言えます。
地下書庫に降りる階段は、学生には異世界へ誘う入口に見えたかもしれません。
図書館別館の地下書庫は是非ご自分の目で確かめてください。
3.懇談会
見学終了後は、再び2号館1階の教室に戻り、LSの再度司会のもと、学生スタッフ同士による懇談会が行われました。参加者は互いに質問し合いながら、それぞれの活動内容や課題について活発な意見交換を行いました。
清泉女子大学には、本に関係あるサークル的存在として、LSのほかに、月に1回、好きな本を紹介し合うブックトークを中心としたサークルがあり、当館の「ららすた」の活動とは異なる特色を持っていることが分かりました。
懇談では、図書館キャラクターの活用、POP作成の際に意識していること、InstagramなどのSNSを活用した広報活動、読み聞かせの機会の創出方法などについて情報交換が続きました。LSの学生からは、当館が提供したクリアファイルや缶バッジに描かれた図書館キャラクター「美々子」と「亀本さん」に刺激を受け、自分たちの図書館でもオリジナルキャラクターを作りたいという声が上がりました。
また、メンバーが特定の学科に偏りがちな現状をどのように改善し、他学科の学生にも活動の輪を広げていくかといった課題についても意見が交わされました。
懇談会の最後には最近読んだ本の話題となり、お薦めの本を紹介し合う中で、読了できなかった本を持ち寄って語り合うイベントや、ネタバレを避けながら本の魅力を伝える冊子づくりなど、今後の活動につながるユニークなアイデアも次々と提案されました。
学生同士だからこそ率直に語り合える雰囲気の中で、互いの活動から多くの刺激を受けるとともに、新たな企画や運営のヒントを得る大変有意義な懇談会となりました。
4.旧島津家本邸にて
懇談会の終了後、清泉女子大学構内にある本館・旧島津家本邸に移動しました。旧島津家本邸は、大正4年(1915年)に竣工したイタリア・ルネサンス様式の洋館です。設計は「近代日本建築の父」と呼ばれる英国人建築家ジョサイア・コンドルによるもので、その最晩年の名作として知られています。白タイルの外壁や美しいステンドグラス、中央ホールの大階段が見どころとなっています。
図書館職員の方から建物概要の説明を受けた後、すべての部屋がつながる大小の応接室や聖堂、正面玄関、大階段とステンドグラスなどを見学しました。
当日参加した「ららすた」の生活環境学科/環境デザイン学科所属の学生はもちろんのこと、参加者一同、格式ある歴史的建築を目の当たりにし、その壮麗な意匠や細部にまで施された装飾に驚きと感銘を受けていました。また、建築が持つ歴史的価値や文化的背景について理解を深める貴重な機会となりました。特に、当時の建築技術や美意識が随所に感じられる空間は、学生たちにとって今後の学びや創作活動に生かせる多くの気づきを与えてくれました。今回の見学を通して、歴史ある建築物を保存し次世代へ継承していくことの重要性についても改めて考える機会となりました。
最後に、清泉女子大学附属図書館様のご厚意に甘えて、大階段及び庭園側から本邸を背に集合写真を撮影させていただきました。
伝統ある図書館と大学本館を見学させていただき、職員・学生共々大変実りの多い貴重な時間を過ごさせていただきました。
今回の見学会を機に、協定校図書館の相互利用促進につなげていきたいと思います。
今回の見学を快くお引き受けいただき、長時間にわたりご案内くださいました清泉女子大学附属図書館の皆様に厚く御礼申し上げます。
最後に
~学生スタッフ「ららすた」へのアンケートより~
※複数回答「可」としています。
Q1. 施設や蔵書などについて、印象に残ったことを教えてください
- ・地下書庫のスペイン語の本が様々あって、力を入れているのだと感じた。
- ・地下といっても、地下1階までは高い位置にあるため思いのほか明るかったこと。
- ・スペイン語や中国語の資料が多かったこと。
- ・地下は入り組んでいて迷路のようだったこと。
- ・施設が地下2階、地上2階建てで広かったのが印象的でした。また、洋書の中でスペイン語の図書の割合が高いことも印象に残りました。
- ・洋書、とくにスペイン語の本が多くあるのだと印象に残った。
- ・多言語本が多く、学科によって所蔵されている本の種類が異なることが印象に残りました。
- ・日野の図書館ではデザイン系や食系の本が多いので、それぞれの図書館の特色があって面白いと思った。
- ・大学の特徴である旧島津家本邸やスペインに関する書籍があり印象に残った。
Q2. 1以外で特に図書館について、印象に残ったことを教えてください
- ・レポートの添削や書き方を教えていただける環境があるということが印象に残った。
- ・図書館内は、蓋が付いていても飲物持ち込み禁止となっていましたが、図書館にウォーターサーバーがあるのが使いやすそうでよい。
- ・集密書庫の手動で動かす本棚があったことが印象的でした。
- ・映画を見るための個人のパソコンがあることや、レポートを書くときアドバイスをしてくださる方がいること。
- ・ライティングアドバイザーの方がいらっしゃるのが学生にとって良いシステムだと思った
- ・ウォーターサーバーがおいてあったり、一度手にとって借りなかった本が置ける台があったりと、学生が過ごしやすい工夫があった。
Q3. 交流会に参加してみていかがでしたか?感想など自由に教えてください。
- ・思っていた以上に交流会が楽しく、様々な意見が出て、とても参考になった。
- ・はじめは緊張したが、清泉女子大学の学生さんのおかげで楽しく交流できた。自分たちの団体の規模や活動について振り返るよいきっかけになったし、参考にもなったため非常に有意義な時間だった。
- ・お互いの活動内容を伝え合うことができたので、それをこれからの活動に活かしていくことができたらいいなと思いました。
- ・ライブラリーサポーターズの皆さんと関わってみて、雰囲気が近いながらも違うところがあるように感じました。
- ・ららすたの活動とは関係がないのですが、好きな本の話ができたのが嬉しかったです。
- ・お互いが実施している企画を話し合えて刺激になった。参考にしたい企画などもあり、楽しい会になったと思います。
- ・交流会に参加してみて、学部や学年に関わらず好きなことを話すとても楽しい時間でした。質問の内容からどんどんアイディアや話が膨らんで、参考にしたいところが多くありました。特に「途中で読むのに挫折した本を集める」というアイディアが斬新でテーマに取り入れたら面白いと感じました。
基本事項
清泉女子大学附属図書館
住 所:東京都品川区東五反田3-16-21
開館時間:8:50-20:00(平日) 8:50-17:00(土曜)
アクセス:JR・私鉄各線「五反田」駅もしくは「大崎」駅から徒歩10分、「品川」駅から徒歩15分







