授業紹介:「健康栄養演習」~茶道教室で学ぶ“思いやりの心”~(健康栄養専攻1年)
食生活科学科助手S.T
秋も深まり、朝晩の冷え込みに季節の移ろいを感じる頃となりました。 今回は、生活科学部 食生活科学科 健康栄養専攻の1年生(※2026年度より「食科学科:健康栄養専攻」へ名称変更)を対象に開講されている「健康栄養演習」の授業の一環として行われた、茶道教室の様子をご紹介します。
●健康栄養演習とは
「健康栄養演習」は、社会で品格ある女性として活躍するために、マナーや一般教養を身につけることを目的とした授業です。テーブルマナー教室、社会人マナー講座、動画制作など、実践的な内容が盛りだくさんで、学生たちは毎回意欲的に参加しています。
●本キャンパス内の「無我荘」について
今回の茶道教室は、10月に日野キャンパス内の茶室「無我荘」で開催されました。「無我荘」は、学祖・下田歌子先生がお住まいだった家の名前を受け継いだ茶室で、普段は礼法研究部や表千家茶道教室の活動場所としても使用されています。静かな佇まいの中で行われる茶道教室は、毎年学生に人気の授業のひとつです。
●授業の流れと雰囲気
授業ではまず、茶道の歴史について学びました。茶道は中国から伝わり、日本独自の文化として発展してきたもので、現在では100〜500もの流派が存在すると言われています。学生たちは、初めて知る茶道の奥深さに驚きながら、熱心にメモを取っていました。
続いて、表千家流の作法を体験しました。茶室に入る前に「結界」として扇子を自分の前に置くこと、床の間に飾られた掛け軸や茶花を鑑賞し、亭主(おもてなしをする人)の心を読み取る時間があることなど、ひとつひとつの動作に込められた意味を学びました。
また、「茶碗を回して飲む」という作法には、茶碗の正面に描かれた絵柄や文字に唇を触れさせないようにするという、相手や器への細やかな“心遣い”が表れています。こうした所作のひとつひとつに込められた思いやりに、学生たちは深い感銘を受けていました。
今回のお茶は、表千家茶道部の学生が抹茶を点て、1年生が給仕(お茶を運ぶこと)を担当しました。てきぱきとした所作でお茶を点て、給仕する姿は非常に凛々しく、参加した学生たちにとって印象深い体験となりました。
●まとめ
茶道に触れる機会は限られているかもしれませんが、本学ではこうした体験を通じて、日本文化の奥深さや、相手を思いやる気持ちに触れることができます。
●お知らせ
なお、毎年日野キャンパスで開催されている「常磐祭(ときわさい)」では、無我荘での茶道体験や表千家茶道部の活動が行われており、今年も盛り上がりが期待されます。(2025年の開催は11月8日〜9日です)
高校生や保護者の皆さまにとっても、茶道の魅力に触れていただける絶好の機会となっておりますので、ぜひお気軽にご来場ください。







