AIとの共存時代-アカデミックスキルを学ぶということ-
新入生は「実践入門セミナー」という初年次科目を必修として受講します。そこでは、本学に入学してから4年間の学修に必要なスキルや自校教育などを学ぶプログラムが設定されています。
例えば、「レポート課題の書き方」について、「序論、本論、結論」の書き方の流れであったり、「論文、報告レポート、ブックレポート」それぞれの違いであったり、大学の学修に必要なアカデミックスキルを学びます。
ところが、昨今の生成AIの発達で私たちの日常は一変しました。何か文章を書くことや、資料を読んでまとめるということは、殆どAIで賄えるようになったのです。AIの性能は日進月歩で進化していき、来年の今頃にはもっと高度なパフォーマンスを提供してくれるでしょう。
そんな時代に、アカデミックスキルを習得することは何を意味するのでしょうか。「レポートなんて、AIに任せればいい-」。確かに、それも一つの方法ですね。いわゆる「タイパ」を考えた時に、AIを活用することで効率は各段に上がります。
話は変わりますが、今や車にも自動運転機能が搭載されていて、(完全自動ではないものの)目的地までほぼ自動で導いてくれます。しかし、とっさの判断が求められる瞬間や自動運転機能が故障した時、どうすれば良いでしょうか。
言うまでもなく、最後は人間の力でハンドルを操作するしかありません。道路標識や交通ルールを全く知らず運転の仕方も全く分からない無免許の運転手の自動車に、あなたは乗りたいと思うでしょうか。。
最終的に判断する(ハンドルを操作する)のは私たち自身です。AIは情報をまとめたり、瞬時に多様な情報を提供したりするには大変便利ですが、それが正しいか間違っているか、どの情報を活用するか、その時と場合にふさわしい情報は何か、これらを判断するのは私たち自身のいわば人間の力になります。
アカデミックスキルとは、そのような思考力や判断力を習得するための必要な準備運動です。新入生たちは、まずは自分でハンドルを操作して交通ルールに従って運転できるように目指して行きます。4年後に晴れて社会人になる頃には、うまくAIを使いこなせる人間力を身に着けていることを期待しています。
(文責:塚原 拓馬)







