食生活科学科管理栄養士専攻の学生が、「第10回食物アレルギー対応食 料理コンテスト」で優秀賞を受賞しました(3/16)
生活科学部食生活科学科管理栄養士専攻4年の井上春花さんが、「第10回食物アレルギー対応食 料理コンテスト」(公益財団法人ニッポンハム食の未来財団主催、厚生労働省・消費者庁・農林水産省後援)に応募した「畑のお肉たっぷり!とろとろ鮭クリームコロッケ」というレシピで食事部門の優秀賞を受賞しました。3月16日(日)には、女子栄養大学 駒込キャンパスで表彰式が開催され、井上さんは賞状と副賞を授与されました。表彰式後の記念交流会では、最優秀賞受賞作品や食物アレルギー対応食品が振る舞われ、その試食や審査委員・来賓との懇談を通じて、受賞者同士喜びを分かち合いました。
「第10回食物アレルギー対応食 料理コンテスト」で
優秀賞を受賞した井上春花さん
「食物アレルギー対応食 料理コンテスト」とは

「畑のお肉たっぷり!とろとろ鮭クリームコロッケ」
家庭で生まれた創意工夫と愛情のこもった料理が、食物アレルギーと向き合う方々に広く活用されることを目的に、公益財団法人ニッポンハム食の未来財団が毎年開催しているのが「食物アレルギー対応食 料理コンテスト」です。10回目となる2024年度は、食事部門、おやつ・デザート部門合わせて417作品の応募があり、最優秀賞2作品、優秀賞2作品、審査委員特別賞8作品、入賞8作品の計20作品の受賞が決まりました。
井上さんの優秀賞受賞レシピは、「畑のお肉たっぷり!とろとろ鮭クリームコロッケ」。卵アレルギーを持つ自身の経験を活かした、卵・乳・小麦・カニにアレルギーを持つ方でも楽しめるクリームコロッケです。豆乳と米粉で作ったクリームをライスペーパーで包むことで、時短と食感の良さを兼ね備えたレシピとなっています。ライスペーパーを使った斬新なアイデアが成形の手間削減やカラリとした仕上がりに貢献している点や、大豆フレークを使った衣のサクサクとした食感の魅力が審査委員から高い評価を得ました。
表彰式では受賞スピーチを披露。記念交流会で参加者とも懇談

3月16日(日)、女子栄養大学 駒込キャンパスで開催された表彰式には、井上さんを含む12組の上位入賞者が招待されました。井上さんは、事前に準備したパワーポイント資料を使って受賞者スピーチを披露し、受賞名発表後に優秀賞の表彰状と副賞を受け取りました。
表彰式後にはビュッフェ形式の記念交流会が開かれ、食事部門、おやつ・デザート部門の最優秀賞受賞作品や食物アレルギー対応食品が振る舞われました。井上さんはそれを試食しながら、ほかの受賞者や審査委員、来賓らと懇談。貴重なひとときを過ごしました。
井上さんのレシピを含む受賞20作品のレシピは、公益財団法人ニッポンハム食の未来財団のWebサイトで順次公開されるほか、小冊子としてまとめられる予定です。
食生活科学科管理栄養士専攻4年 井上春花さんのコメント

趣味の海釣りで釣った魚を調理した際、家族がとても喜んでくれたのがきっかけで「食」に興味を持ち、管理栄養士の資格取得を目指して本学に進学しました。基礎科目の学習に加え、豊富な実習と実験で知識と技能の習得に励む中、学内システム上の告知で「第10回食物アレルギー対応食 料理コンテスト」の開催情報を入手しました。私自身、卵アレルギーを持っているため興味を引かれ、食物アレルギーを持つ方が普段食べられない料理を楽しめるレシピを作りたいと思い応募を決めました。
まずは、大学の実習で得た知識や味付けのコツを生かすには食事部門での応募が最適だと判断。さらに「食物アレルギーを持つ人が、食べる機会の少ないメニューは?」と考えた結果、たどり着いたのがクリームコロッケでした(クリームコロッケには特定原材料8品目に含まれる卵・乳・小麦のほか、カニも使用されることが多い)。
そして、試行錯誤の末に完成したのが「畑のお肉たっぷり!とろとろ鮭クリームコロッケ」です。タネのクリームに使う牛乳と小麦粉は豆乳と米粉で、衣のパン粉は大豆フレークで代用しました。“畑のお肉”といわれる大豆が原料の食材に置き換えることで、良質なタンパク質をたくさん摂取できるようにし、“畑のお肉”というフレーズはレシピのネーミングにも生かしました。衣を付けるのに使うバッター液は、牛乳や卵ではなく米粉を水で溶いたもので代替。具には、カニに色合いの近い鮭を採用しました。

笑顔にするために努力を重ねていきたい
最大の工夫は、タネをまとめるのにライスペーパーを使ったことです。クリームコロッケのタネは通常、成形しやすくするため一晩ほど冷蔵庫で寝かせる必要がありますが、ライスペーパーを使えば冷蔵庫で冷ます時間が10分程度で済みます。成形作業も簡単になりますし、揚げている最中にタネが衣を破って飛び出すのも防げます。しかも、揚げるとモチモチ、サクサクとした食感が生まれます。このアイデアは、審査で高く評価していただけました。
二次審査通過後は、手順を写真や動画として撮影して追加提出する必要があり、準備にかなり苦労しましたが、より深く食材やアレルギーについて知り、大学での学びを実践する良い機会となりました。食物アレルギーを抱える人の悩みを改めて実感し、栄養価が高くおいしい料理を作るだけでなく、それを食べる人の気持ちを想像することも大切だと学びました。その上、優秀賞というすばらしい賞をいただけたことは大変ありがたく、私のレシピが食物アレルギーを持つ方々のQOL向上につながればなおうれしく思います。
今回のコンテストへの挑戦と受賞は、就職活動にもプラスに働きました。自己アピールに大いに生かされたのはもちろんのこと、健康志向だけでなく食物アレルギー対応食にも積極的に取り組んでいる企業が多いことを知り、志望する食品業界の企業研究も深まりました。卒業後は、食品の商品開発業務に携わりたいと考えています。「食」を通して多くの人たちを健康にし、笑顔にするという夢を叶えるため、さらなる努力を重ねていきたいです。