人間社会学部の学生が社会起業家プログラム「ゼロイチ」ファイナルピッチに登壇(2/27)
社会課題の解決に挑む学生向け社会起業家プログラム「ゼロイチ」のファイナルピッチに、人間社会学部社会デザイン学科2年の星野綾子(ほしのりょうこ)さんが登壇しました。
「ゼロイチ」は、経済産業省が主催する、学生が社会課題の解決につながるビジネスアイデアを構想・実証する社会起業家育成プログラムです。約7カ月間にわたり、講義やメンタリング、合宿などを通してアイデアを磨き上げ、社会課題を解決するビジネスのサービスやプロダクトの開発・検証を目指します。
全国から180人以上の応募があり、最終審査となるファイナルピッチに進んだのは10名のみです。星野さんはその一人として登壇しました。
献血不足という社会課題に挑む
献血と出会ったのは16歳のとき。高校で青少年赤十字の活動に参加し、白血病患者が輸血によって命をつないでいることを知ったことがきっかけでした。
「自分の献血一つが誰かの明日につながると感じたとき、もっと多くの人に献血を広めたいと思いました」
日本では献血可能人口の減少や高齢化により、将来的な血液不足が懸念されています。献血未経験者100名にヒアリング調査したところ、「注射が怖い」「体調が不安」といった理由から、献血に関心があっても行動に移せない人が多いということがわかりました。
そこで星野さんが提案したのが、献血で得られる血液データを健康管理に活用するアプリです。献血をすると無料で受け取れる血液データを分かりやすく可視化し、食事や生活習慣のアドバイスを提示することで、献血のモチベーション向上と健康管理を同時に実現する仕組みです。
さらに、このアプリを企業の健康経営と結びつけ、従業員の健康管理の一環として導入するビジネスモデルも提示しました。献血促進と健康経営を両立させる社会課題解決型のアイデアとして発表しました。
Z世代がさまざまな社会課題に挑んだファイナルピッチ
ファイナルピッチでは、食品ロスやエネルギー問題、国内の経済面における教育格差問題、発達障害の支援不足、アジアにおけるキャリア支援、野良犬の譲渡問題など、さまざまな社会課題をテーマとした発表が行われました。社会的意義の高いアイデアが並びました。
審査の結果、オーディエンス賞は「経済的困窮家庭の子どもの体験格差問題」をテーマとした提案が受賞しました。また、最優秀賞は「食品ロスと飢餓の問題」が選ばれるなか、星野さんは「SHIBUYA QWS賞」を受賞しました。
星野さんの発表は、周囲を巻き込む行動力と社会課題への強い思いが評価されました。審査員からは
「活動量の多さや、周囲を巻き込む力が非常に印象的でした。SHIBUYA QWSの場を活用しながら、実際の企業やコミュニティと連携し、事業の実装に向けて挑戦してほしいと思います」
とのコメントが寄せられました。
星野さんにインタビュー
Q. ゼロイチに参加しようと思ったきっかけを教えてください
実は昨年のゼロイチのファイナルピッチを見に来ていて、そのときに「私もここに立ちたい」と思ったのがきっかけです。登壇している皆さんが社会課題に本気で向き合っている姿を見て、とても刺激を受けました。その後、募集が始まったタイミングで「挑戦してみよう」と思い応募しました。
Q. 7カ月間のプログラムで大変だったことは何ですか。
一番大変だったのは、献血というテーマをビジネスとして成立させることでした。献血は無償で行うことが前提で、検査目的の献血は認められていないなど、さまざまな制約があります。途中で「献血の課題をビジネスで解決しようとするのは諦めようか」と悩んだこともありました。
私にとって献血はライフワークなので、「ビジネスではなく個人の活動として続けていこうかな」と考えたのです。ただ、仲間や事務局の方が「このテーマで挑戦してほしい」と背中を押してくれて、最後まで取り組むことができました。
Q. ファイナルピッチを終えた感想を教えてください。
率直に言うと、ファイナルピッチの舞台で話すことをとても楽しめました。発表のあとに「献血に挑戦しようと思います」という声をいくつもいただき、「一人にでも献血のことが届いたのかな」と思うと、本当にうれしかったです。この場に立てたこと自体が、とても貴重な経験でした。
Q. 今後挑戦したいことはありますか。
今回の発表で終わりではなく、実際にこの取り組みを事業として形にしていきたいと思っています。協力したいといってくださっている地元の企業もあるので、一緒に具体的な形にしていきたいです。
また現在は、文部科学省の官民協働留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN」を活用してマレーシアに留学しています。多文化・多宗教社会の中で、人がなぜ献血しようと思うのか、その背景にある“分け与える意識”を研究しています。ビジネスだけでなく研究の面からも、献血という社会課題に向き合っていきたいです。
Q. 後輩や受験生へのメッセージをお願いします。
好きなことをとことん突き詰めてほしいと思います。大学は、自分の興味のあることに挑戦できる場所だと思いますし、学生だからこそ応援してくれる人も多いと感じています。時間も機会もたくさんあるので、その環境を思いきり使って、自分のやりたいことに挑戦してほしいです。







