認定栄養ケア・ステーションについての講演に卒業生ら登壇! 食と栄養のプロを目指す管理栄養士専攻の学生と意見交換も(2/5)
地域住民に栄養指導や食事相談を提供する「認定栄養ケア・ステーション」について学ぶ講演会が2月5日、日野キャンパスで開催されました。教育プロジェクトの一環で学内設置を目指しており、本学管理栄養士専攻の卒業生で、株式会社hitotofrom まんまる薬局に勤務する新井風香さんと松倉義弥さんの管理栄養士2人が講師を務めました。当日は生活科学部食生活科学科管理栄養士専攻(※2026年4月から食科学部管理栄養学科)の1~3年生が聴講、講演後の懇談会では2人とざっくばらんに意見交換し、人の健康を支える食と栄養のプロを目指す心構えなどを学びました。
認定栄養ケア・ステーションについて、解説する新井さんと松倉さん
気軽に相談できる地域密着型の拠点
グループの中に入ってアドバイスする新井さん
管理栄養士・栄養士が地域住民への栄養ケアを実施・提供するための仕組みや地域密着型の拠点が「栄養ケア・ステーション」です。そのうち、日本栄養士会から認定されている「認定栄養ケア・ステーション」は、全国47都道府県の市区町村の医療機関や薬局、介護施設、企業などに設置されており、大学内に併設されている例もあります。生活科学部食生活科学科の辛島順子准教授らは、「認定栄養ケア・ステーション」の学内設置を目指して検討を重ねており、管理栄養士専攻の学生有志が事業計画案を作成しました。
新井さん「大学にはコストを抑えて活動するためのリソースがたくさんある」
議論を深める学生や講師ら
新井さんと松倉さんを講師に迎えたこの日の講演タイトルは、「栄養ケア・ステーションの役割とは?」。実際に「認定栄養ケア・ステーション」の管理栄養士として活動する立場から、認定制度のあらましや主な役割、今後の展望、まんまる薬局の「認定ケア・ステーション」の特徴や活動事例について説明がありました。
講義の前半、新井さんは「認定栄養ケア・ステーションは地域住民と管理栄養士をつなぐ拠点であり、専門知識を地域に還元できる貴重な場。管理栄養士の存在価値を向上させる起点ともなる」と説明。「どこに管理栄養士がいるかわからない」という課題については「栄養ケア・ステーションが果たす役割は大きい」と強調しました。また、「認定栄養ケア・ステーション」同士の横のつながりを構築しつつ、「地域住民に向けた介護予防教室や、料理教室などのイベントも実施していきたい」と今後の展望を語り、「大学には調理設備や教室など、コストを抑えて活動するためのリソースがたくさんある」とし、大学に「認定栄養ケア・ステーション」を設置するメリットにも触れました。
講師に質問をする学生
講義の後半には、「在宅療養者の実態調査では、約7割に低栄養の恐れがあるとされており、管理栄養士の専門性が求められている」と松倉さん。具体的な訪問栄養指導の流れや、医師、薬剤師らと連携する、まんまる薬局独自のNST(栄養サポートチーム)の活動事例などを紹介しました。
講義後は、参加した管理栄養士専攻の学生有志と講師による懇談の時間が設けられ、学生自ら作成した事業計画案の実現可能性などについて意見を交わしました。「内容の質が高い。子ども向けの提案は、大学周辺の地域性と合致している。すでに学生たちが行っている日野市での活動や産学連携事業との親和性も高い」などと講師に評価され、手応えを得た学生たち。対象を絞って計画を立てる重要性など貴重なアドバイスを受け、計画の再検討に向けた課題を確認しました。
また、「認定栄養ケア・ステーション」に限定せず、食物アレルギーへの対応や管理栄養士という仕事のやりがいなど多様なテーマについてざっくばらんに意見を交わし、将来の進路選択へのヒントをつかみました。
参加学生のコメント
・「認定栄養ケア・ステーション」の具体的な活動内容を聞けて良かった。自分たちが考えた事業計画案にどれくらい実現可能性があるか、ターゲット設定の重要性も含め確認できた。
・事業計画案について、対象年齢やそれぞれの利用者の背景に寄り添ったイベントをいかに考えるべきか気付きを得られた。アレルギーへの正しい理解をいかに啓発するかといった課題についても考えるきっかけになった。
・管理栄養士がどこにいるかわからないという現状を変えていくためにも、病院より身近に栄養のことを相談できる場としても、「認定栄養ケア・ステーション」の存在が重要だと感じた。
・管理栄養士として、実際にどのように患者さんに接しているか知ることができ、自身が管理栄養士になった際のイメージが湧いた。
・私たちの事業計画案では子ども中心の活動を多く挙げていたが、実際の「認定栄養ケア・ステーション」では高齢者とのかかわりが多いと知り、視野が広がった。活動の内容だけでなく、利用者の参加しやすさも踏まえて計画する必要があると感じた。
辛島順子准教授「専門知識の社会への還元につながる」
辛島順子准教授
現状、管理栄養士は病院や学校、保健センターなどに所属していますが、施設利用者以外にはその存在が見えにくいという課題があります。「認定栄養ケア・ステーション」の学内設置は、管理栄養士という専門職の可視化に寄与し、病気になる前の段階から誰もが気軽に専門家へ相談できる窓口として、管理栄養士の専門知識を社会全体に還元することにつながると考えています。
認定栄養ケア・ステーションで実際に活動を行うのは、管理栄養士免許を持った教員となりますが、学生たちの生活者感覚に基づいた視点は、地域に根ざした運営を考える上で極めて重要です。実際に、学内に「認定栄養ケア・ステーション」を設置するならどのような事業を行うとよいか?と投げ掛けたところ、学生たちがさまざまなアイデアを出してくれました。今後も自らのアイデアを世に送り出す経験を通じ、職能への理解と誇りを深めてもらえればと思っています。
また、「教育プロジェクト」の一環として実施した今回の講演会では、本学の卒業生である新井さんが講師を務めてくれました。社会人として大きく成長した卒業生の姿を見られたことも、教員にとって大きな喜びです。
学生、卒業生、そして教員が一体となって進めるこのプロジェクトが、管理栄養士が「社会の健康を支える不可欠な専門職」として価値を確立していくための重要な一歩となることに期待しています。







