特集① 青山学院大学 新図書館見学記(青山キャンパス)
訪問館:青山学院大学図書館本館(青山キャンパス 18号館「マクレイ記念館」)
訪問日:2025年5月30日(金)午後
訪問者:図書館スタッフ3名、図書館学生スタッフ「ららすた」学生10名
青山学院大学について
青山学院大学は、青山キャンパスに7学部17学科と10研究科、相模原キャンパスに4学部10学科と2研究科を有し、2キャンパスで合計2万人以上の学生が所属する大学です。
青山キャンパスは、本学渋谷キャンパスから徒歩5分ほどの場所にあり、人文科学系・社会科学系の学部に所属する約15,000人の学生が通います。都心の立地を活かした学術研究や文化創造の情報発信型キャンパスとして、伝統を受け継ぎながら常に最先端の教育環境づくりを続けています。
青山学院創立150周年を記念して大学18号館「マクレイ記念館」が建設され、昨年オープンしました。施設の名称は、青山学院の3つの源流の一つである「美會神学校」を設立した初代院長ロバート・S・マクレイを記念したものです。
18号館「マクレイ記念館」
(画像提供:青山学院大学)
見学開始~2階フロア
18号館「マクレイ記念館」には、図書館、情報メディアセンター、アカデミックライティングセンターが集約されており、2階から6階が図書館フロアです。
建物2階の入口を入ると、図書館の入口ゲートの手前にラーニングコモンズエリアがあり、多くの学生たちが集まって会話する様子が見られました。
ラーニングコモンズ
(画像提供:青山学院大学)
2階の入口ゲートを入ると、メインカウンターやレファレンスカウンター、新着図書、参考図書、指定図書、新着雑誌などが並びます。
ラーニングコモンズから引き続き「会話OK」ゾーンとなっていて、明るい色の木材でできた閲覧席やおしゃれな照明器具、たくさんの観葉植物が並び、カフェのような空間が印象的でした。
奥へ進むとテラスにも出られるようになっていて、都心にいながら心地よい空気を感じることができます。
『居場所』としての図書館
図書館の各フロアは中央が吹き抜けでつながり、その周囲には様々なタイプの家具が配置された閲覧席が並べられています。
閲覧席の周りを書架が囲み、外周には「Aisle(アイル)」という様々なタイプの学習スペースが設置されているのも特徴的です。
様々なタイプの「Aisle(アイル)」
「Aisle」は様々な利用目的に対応しています。扉には、一目で利用方法がわかる効果的な掲示がされていました。
上層階へ
図書館の中は、フロアとエリアによって明確に利用ルールが決められていて、上層階に行くほど静寂エリアとなっています。家具や床の色調も上層階ではより黒っぽい色が使われ、落ち着いた雰囲気を感じます。
このような様々なタイプのエリア、家具、ルール等に分けられていることにより、利用者たちは選択の幅が拡がり、各々の好みや用途等によって利用するスペースを選ぶことができている様子でした。
また、図書館が自習や調べものをする場所としてだけではなく、それぞれの利用者にとって思い思いに時を過ごす『居場所』としての空間となっていることが特に印象的でした。
より機能的な図書館へ
新図書館の建設に合わせて整備されたのが、自動書庫とICタグです。
新図書館では、館内から自動書庫の機械の動く様子が見える造りになっています。
この自動書庫には約80万冊もの図書が入ります。現状では約60万冊の図書が納められ、今年度からはセルフサービスでの出庫も可能になりました。
昨年度、相模原キャンパス図書館の見学時に自動書庫室の中を見学させていただきましたが、自動書庫は見えない場所にあることが一般的であるため、壁面いっぱいに並ぶ図書の中を機械が動く様子を館内から見られるのは、斬新で近未来的な印象を受けました。
ICタグ化により便利になったのが、貸出・延長の手続きです。利用者は、自動貸出機に借りたい(延長したい)資料をまとめて置くだけで手続きが完了します。
また、返却用のブックポストに資料を入れると同時に、機械的に処理されて仮返却の状態になるため、利用者にとってはタイムラグ無くわかりやすいシステムとなりました。
自動貸出機
ブックポスト(図書返却口)
見学を終えて
最後に、6階のプレゼンテーションルームで質疑応答のお時間をいただきました。
本学の学生スタッフ「ららすた」から、特に雑誌や紀要が並ぶ電動書架やインテリアについての質問をさせていただきました。
都心の限られたスペースの中で、学生の『居場所』としての一面を持たせたことや、図書館スタッフの方の様々な想いをお聞きすることができました。
最新設備やインテリアを取り入れた新図書館を見学させていただき、職員・学生共々大変実りの多い貴重な時間を過ごさせていただきました。
今回の見学会を機に、協定校図書館の相互利用促進につなげていきたいと思います。
今回の見学を快くお引き受けいただき、長時間にわたりご案内くださいました青山学院大学図書館の皆様に厚く御礼申し上げます。
ららすた学生が座り心地を体感
-マクレイ記念館前にて-参加したららすた学生たち
最後に
~学生スタッフ「ららすた」へのアンケートより~
1.施設や蔵書などについて、印象に残ったこと
・友達と相談しながら勉強できるスペースが沢山あったこと。
・吸音性にこだわった個人席、シーンごとに使い分けられるアイル、ジャンルごとの本の種類や自習スペースの数がとても多いこと。
・様々な言語の新聞があったこと。
・自動書庫があることがすごいなと思った。
2.特に図書館サービスについて、印象に残ったこと
・図書館が学生にとっての自由な居場所となるように工夫されている部分が印象的だった。
・書庫の本を学生証を提示することで自動で取りに行ってくれる機能や混雑状況などがスマホで確認できるところが魅力的に感じた。
3.青山学院大学の学生の様子について、印象に残ったことや参考になったこと
・皆さんが各々の作業に集中できていたこと。
・入り口付近の会話できるスペースで学生同士の交流が活発だったこと。
・それぞれが決められた図書館のルールを守り、その範囲内で友人と過ごしていたり自らの課題に取り組んでいたりと快適に過ごしているのではないかと感じた。
・くつろげる場所が多いんだなと感じた。
・グループワークが出来る場所が人で埋まってしまうほど積極的に話し合いをしていると思いました。実践女子大学よりも利用している人が多いように感じた。
4.青山学院大学青山キャンパスの新図書館を、協定校図書館として利用してみたいと思いましたか?(または、友達に薦めたいと思いましたか?)
全員が「思う」との回答でした。
その理由として、以下の意見がありました。
・魅力的な蔵書の数と自習スペース、充実した論文の数。
・渋谷キャンパスから近いから。
・実践の図書館とはかなり雰囲気が異なりそれぞれの魅力を感じた。
・勉強など集中したい時にはぴったりな環境だと感じた。
・広くて楽しかったから。
・建物自体も広々としていた事や、美術の本が豊富に置かれていたので一緒に見に行きたいと思ったから。
基本事項
青山学院大学図書館本館(青山キャンパス 18号館「マクレイ記念館」)
住 所:東京都渋谷区渋谷4-4-25
開館時間:9:00-21:40(平日) 9:00-21:00(土曜) 12:00-19:00(日曜)
アクセス:JR・私鉄各線「渋谷駅」より徒歩10分
東京メトロ「表参道駅」より徒歩5分
※相模原キャンパスの図書館とは開館時間・曜日が異なります。ご注意ください。