全国合同卒業設計展「卒、26」で生活環境学科(現・環境デザイン学科)の卒業生3名が入賞しました(2/28・3/1)
生活環境学科(現・環境デザイン学科)の卒業生3名が在学中に取り組んだ卒業設計の作品が、「全国合同卒業設計展『卒、26』」で入賞しました。「全国合同卒業設計展『卒、26』」での入賞は本学初です。
この設計展は、全国の大学・専門学校で建築を学ぶ学生による卒業設計作品を対象としたもので、「全国合同卒業設計展『卒、26』」は全国から508作品の応募がありました。
2月28日(土)、3月1日(日)に、日本女子大学 目白キャンパス 新泉山館で公開審査が行われ、その結果、本学生活環境学科(現・環境デザイン学科)の卒業生である半道さくらさんが「山本賞」、髙木美帆さんが「コンキャリ賞」、紙屋希望が「手塚賞」を受賞しました。
< 山本賞 >
半道 さくらさん
「猫人間 ~利用者の能力を拡張する技術を活用した都市の再生法 最小限の改修で最大限の効果を生み出す新たな街づくりの提案~」
山本賞を受賞した半道さくらさんと受賞作品
(作品の詳細はこちら)

受賞コメント
この度は、全国合同卒業設計展「卒、26」にて、山本賞という大変光栄な賞を頂き、心より嬉しく思っております。本作品は、建築が人間に適応するのではなく、今後著しく発展していく技術を介して人間の能力そのものを拡張し、その変化によって建築や都市の在り方を更新していくという、これまでとは異なる視点から取り組んだ卒業制作です。自分にとって非常に挑戦的なテーマであった一方で、制作を通して自身の思考や表現の可能性を大きく広げる経験となりました。研究室で制作に没頭した日々や、何度も壁にぶつかりながら試行錯誤を重ねた時間、そして少しずつ構想が形になっていく瞬間の喜びまで、その全てがこの作品に詰まっています。最後まで走り抜くことができたのは、研究室の仲間の支えがあったからこそだと感じています。ご指導くださった内藤先生をはじめ、研究室の皆様、そして生活環境学科の皆様に、心より感謝申し上げます。この経験を糧に、今後も大学院での学びと研究に真摯に向き合っていきたいと思います。
< コンキャリ賞 >
髙木 美帆さん
「棲家と牢獄 -モダニズム建築の規範性の再読による、新たな棲まいかたの構築-」
コンキャリ賞を受賞した高木美帆さんの作品
(作品の詳細はこちら) [PDF:6.46MB]

受賞コメント
この度、全国合同設計展卒、26にて10選入選とコンキャリ賞を受賞することができ、大変光栄に思っております。
自身の問いや物事に対して向き合い、考え続けること、空間を立ち上げることは簡単ではありませんでした。しかし、研究室の仲間に支えられ、最後まで走り切ることができました。
この経験は、今後の人生にとっても不可欠で大切なものとなりました。
ご指導くださいました一色先生をはじめ、生活環境学科の皆様に心より感謝申し上げます。
この経験を糧に今後も建築に向き合っていきます。
< 手塚賞 >
紙屋 希望さん
「植物が生きる建築 ~人間中心の都市構造を、植物の尊厳から問い直す~」
手塚賞を受賞した紙屋希望さんの作品
(作品の詳細はこちら) [Image]

受賞コメント
受賞できるとは思っていなかったので、結果を聞いた時はとても驚きました。今回の設計は、これまで取り組んできた設計課題とは異なり、建築の在り方そのものに向き合う内容でした。最後まで自分の考えが正解なのか分からず悩み続けましたが、一色先生や助手の皆さんの支えもあり、自分なりに考え抜いた作品にすることができたと思っています。
また、今回は手塚先生に響く設計ができたことも、とても嬉しく感じています。これまで模索し続けてきた時間が、今回の成果につながったのだと思います。本設計に込めた意味や思いが、少しでも多くの方に伝われば嬉しいです。そして、一色先生をはじめ、日々刺激を与えてくれたゼミの仲間たちには感謝の気持ちでいっぱいです。
指導教員のコメント
内藤将俊教授(建築デザイン研究室)
2018年に始まり、今年で9回目を迎えた全国合同卒業設計展「卒、26」において、建築デザイン研究室の半道さくらさんが、山本賞、及び、特別賞を受賞いたしました。
この作品は、建築や街の隠れたポテンシャルを顕在化し得る「人が装着する2種のプロダクト技術」の開発を前提とした、これまでに類例を見ない都市再生法です。
作者は、白夜と極夜での行動変化に着目したうえで、住民の6割が外国人で占める川口市芝園団地で、「猫のタペタム:都市活用型眼鏡型暗視カメラ」を活用しています。そして、敷地内に‘軽微な建築’を散りばめ、日本人高齢者と外国人との交流を就寝前に誘発しています。
さらに、音楽を聴きながら活動する現代生活に着目したうえで、様々な店舗が混在する浦和なかまち商店街で、「猫の音を選別して聞き取る能力:都市活用型対象音厳選イヤホン」を活用することで、「音楽」「お酒」「健康」「福祉」等の8種の専門商店街(レイヤー)が浮かび上がり、多様な嗜好の人々が融合する街へと変貌させており、極めて創造性が高いプロジェクトなっています。
2m四方の二つの大きな模型を製作している半道さんの姿は、とても力強く、さらに、それらをまるで両面に描かれた巨大な絵画のように立ち上げたプレゼンテーションは見事でした。現在、彼女はその勢いのまま、本研究室の大学院生としてますます活躍し、仲間や後輩たちを盛り上げてくれています。
一色ヒロタカ准教授(コミュニティデザイン研究室)
全国の建築系大学から500を超える応募が集まる中、コミュニティデザイン研究室(一色ゼミ)から2名の学生がベスト10および特別賞を受賞するという、大変素晴らしい機会に恵まれました。私自身、本学に着任して間もなく2年を迎えるこのタイミングで、このような成果を生み出してくれた学生たちに、心より感謝しています。
紙屋案は、建築や都市における植物のあり方を問い直す視点が特徴的な提案です。都市の中で植物が自生し、自ら生態系を循環させていくために、人が生み出した建築や技術を用いて空間を立ち上げていく試みでした。審査会では賛否が分かれ、大きな議論を呼ぶ提案となりましたが、それだけ審査員の方々が議論を重ねたくなるような、強い批評性を持った建築であったのだと思います。
髙木案は、「牢獄」というキーワードを起点に、高度経済成長期の住宅政策によって形成された集合住宅の画一的な規格に疑問を持ち、そのあり方に対して新たな空間提案を試みた作品です。人類はもともと洞窟で暮らし、その内部で居心地の良い場所や適切な環境を自ら選びながら生活していたと言われています。本提案では、そのような“洞窟的な暮らし”に通じる、人が能動的に環境を選択しながら共存する集合住宅のあり方を模索しました。
特に模型制作では、材料を手でちぎりながら構成していく独創的な手法によって、合理性と非合理性が共存するような洞窟的空間が形づくられていた点が非常に印象的でした。プレゼンテーション会場でも、多くの学生がその表現方法に興味を持ち、模型を覗き込んでいました。
私の研究室は、総合デザイン領域に属し、建築やまちづくりに加え、学科内の他3領域とも横断的に関わりながら、多様なデザイン手法を取り入れた活動を行っています。今回の受賞は建築分野における大きな成果となりましたが、今後も地域での社会実験やさまざまなデザイン活動を通して、社会に対する新たなアプローチを続けていきたいと考えています。








