竹内ゼミ 『孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和 5 年実施)』の紹介
『女子目線』のデータサイエンス:「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和 5 年実施)」の紹介
※行動計量学ゼミ(竹内ゼミ)では、女子目線で気になった統計調査・統計データを読み取り、現代社会の動向・傾向を紹介していきます。
第 20 期生 大関実佐季
皆さんは、普段「人とのつながり」を意識することはあるでしょうか。家族や友人、職場の同僚、地域の人々との関係は、私たちの生活に大きな影響を与えています。しかし近年、「孤独・孤立」という言葉が注目され、人とのつながりが希薄になっている現状が指摘されるようになりました。そこで今回は、令和 5 年に実施された「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査」の結果をもとに、現代社会における人間関係の変化について考えてみたいと思います。
今回紹介するのは、内閣府が令和 5 年 12 月 1 日に実施した「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査」です。調査対象は全国の満16歳以上の個人で、サンプル数は 20,000 人、有効回答率は 55.7% でした。調査は、オンライン回答または調査票を用いた郵送回答のいずれかを選択する形で行われています。本記事では、その調査結果の中から、特に印象に残った点を抜粋して紹介します。
まず、「孤独の状況」に関する調査結果を見ると、「しばしばある・常にある」と回答した人は 4.8%、「時々ある」が 14.8%、「たまにある」が 19.7% となっており、一定数の人が孤独を感じながら生活していることが分かりました。
次に、「現在の孤独感に影響を与えたと思う出来事」について見てみます。孤独感が比較的高いと回答した人の中では、「家族との死別」が 23.3% と最も多く、次いで「一人暮らし」が 19.5% となっていました。この結果から、日常的に他者と関わる機会が限られる状況が、孤独感に影響している可能性があると考えられます。
また、孤立の状況に関連する項目として、「社会活動への参加状況」についての結果も示されています。「特に参加はしていない」と回答した人は 51.8% で、いずれかの活動に参加している人の割合は 47.4% でした。令和4年と比べると参加者は増加しているものの、依然として半数以上の人が社会活動に参加していない状況が明らかになっています。
これらの調査結果から、人とのつながりの重要性を改めて認識することができます。孤独・孤立の問題を改善するためには、個人の努力だけでなく、社会全体での取り組みが必要です。特に、地域コミュニティの活性化や孤独対策に関する政策の充実が求められると感じました。孤独を感じる人が少しでも減るよう、支え合いの仕組みを広げ、誰もが安心して人とのつながりを持てる社会を目指していくことが大切だと考えます。
その他、調査の図表、詳細等につきましては下記の参考文献をご参照ください。
参考文献:
内閣府(2025)
孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和 5 年実施)
https://www.cao.go.jp/kodoku_koritsu/torikumi/zenkokuchousa/r5.html
(最終確認日:2025/12/23)







