2018年度 万葉旅行
「古代日本の国際交流」をテーマに、1~8世紀の日本において、東アジア文化圏での国際交流の中心地だった北部九州を廻りました。
1日目 |
羽田空港(集合)—福岡空港—福岡タワーにて昼食—福岡市博物館—唐人町にて懇親会—岩井ホテル(泊) |
2日目 |
鎮懐石八幡宮—伊都国歴史博物館—太宰府天満宮・九州国立博物館—大宰府展示館・大宰府政庁跡 ・観世音寺—宗像大社・神宝館—岩井ホテル(泊) |
3日目 |
住吉神社—博多駅(お土産ショッピング)—福岡空港—羽田空港(解散) |
福岡市博物館 —1世紀 中国から北部九州の「倭国」に金印が贈られる—
福岡市博物館では「漢委奴國王」と刻まれた国宝の金印を見ることができます。江戸時代に志賀島から発掘されたものです。印文は「漢の委の奴の国王」(かんのわのなのこくおう)と解釈されてきましたが、「委奴国」(いとこく=福岡県糸島市付近に比定される伊都国)とする見方もあります。
鎮懐石八幡宮 —3世紀 神功皇后が朝鮮半島を平定したとする伝承がある—
鎮懐石八幡宮は福岡県糸島市にある神功皇后ゆかりの神社です。古事記・日本書紀によれば、朝鮮半島に渡る時に神功皇后は応神天皇を妊娠しており、臨月にあたっていましたが、その出産を延ばし陣痛を抑えたという鎮懐石が祀られています。
住吉神社 —3世紀 住吉の神が神功皇后を朝鮮半島に導いたとする伝承がある—
住吉神社は航海守護神である住吉三神を祀る神社です。古事記・日本書紀には、神功皇后が朝鮮半島に渡る時、住吉の神が守護・先導したとする伝承があります。住吉の神を祀る神社は全国に2.000社以上ありますが、福岡の住吉神社は、大阪の住吉大社、下関の住吉神社、と共に「日本三大住吉」と呼ばれています。
宗像大社 —4世紀~ 海上交通の神として、宗像大社があつく信仰される—
宗像大社は沖ノ島の沖津宮、筑前大島の中津宮、宗像市田島の辺津宮の総称です。古事記・日本書紀には、祭神である宗像三女神の誕生の神話があります。2017年には「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」として世界文化遺産に登録されました。
大宰府政庁跡 —7世紀 大宰府が設置され、8世紀 筑紫歌壇が隆盛する—
九州全体を統轄する役所として大宰府が設置され、外交の窓口となる重要な役所として、都から多くの知識人が赴任しました。万葉集には大伴旅人・山上憶良ら大宰府官人による作歌活動(筑紫歌壇)が記されています。
なお、奈良時代には「太宰府」ではなく「大宰府」とされていました。
太宰府天満宮 —9世紀 菅原道真が太宰府天満宮に祀られる—
平安時代、菅原道真の建議により遣唐使が廃止され、太宰府は存在意義を失って左遷の地となりました。失脚した菅原道真も太宰府に左遷され、死後、祟りをなしたため、墓所の上に創建された天満宮に祀られることとなりました。菅原道真(天神さま)は、現在でも「学問の神様」「文化の神様」として信仰されています。
和綴本ワークショップ —研修旅行記の作成—
研修旅行の成果を『古代日本の国際交流調査記録』としてまとめました。それを和綴本として作成し、常磐祭で展示しました。常磐祭では和綴本作成のワークショップを開催したところ、「学長賞(研究部門)」を受賞しました。