竹内 美香先生
青年期の発達と健康の心理学
竹内 美香(TAKEUCHI Mika)/人間社会学科
学位
文学修士 (青山学院大学大学院文学研究科心理学専攻博士前期・後期課程 修了)
博士 (医学)(北里大学)
資格
公認心理師、臨床発達心理士、幼稚園教諭1種免許、保育士資格
Q1. 先生の研究分野は何ですか。その研究を始めたきっかけは何ですか
青年期の発達心理学を専門としています。大学生は自分自身の生涯について考え始める時期です。私はそのような学生さんの傍に居たいと思い、青年期の健康と発達の心理学を選択しました。
Q2. 先生が担当されている授業の中で、学科を決める1年生やゼミを決める2年生におススメの授業は何ですか
学部必修科目「心理学概論」を担当しています。人間を一つの独立した情報処理システムとして捉える考え方に基づいて心理学の概要を紹介しています。さらに「発達心理学」や「感情・人格心理学」「健康・医療心理学」も担当しています。心理学はヒトの胎児から老年期まで、生涯に起こる心身・社会的環境移行について扱うのですが、人生の発達的移行や人格形成、健康のことは身近で、しかも奥が深いです。
Q3. 先生のゼミはどのような活動をしていますか。どんな雰囲気ですか
3年生の前期は、心理学的調査データの基礎解析からプレゼンテーションまでグループワークで取り組みます。後期は卒業研究のテーマ探しを兼ねて心理学の専門論文の抄読をします。当番制でゼミ内発表を行うので緊張感もあるようです。学術論文を詳細に読み込む経験により心理学専攻者としての実力をつけることができます。
竹内美香ゼミは、ゼミ生同士が助け合い、優しくて柔軟な雰囲気を大切にしています。とても和やかだと思います。
Q4. 先生のゼミでは、どのような卒業論文のテーマがありますか
2023年3月卒業したゼミ生の論文タイトルは以下のとおりです。青年期、特に女子大学生の心身の健康と生活に密着したテーマを考える人が多いです。必ずデータをとって統計解析を加えて仮説を検証しています。
・漫画の画像とオノマトペはどんな効果を生んでいる?
・ディズニープリンセスが もたらす 女性の 生き方に 関する 調査
・青年期の人の「推し活」の気持ちと生活に関する調査
・大学生が誰かに助けを求めるときに関する調査
・自身の名前に対する意識と自己評価についての調査
・失敗対処スタイルが「失敗経験」やその後の「こだわり」にどのように影響するか
・女子大学生における人間関係の優先順位に関する調査
・女子大学生のSNS 使用時における過剰適応と自己意識の関連
・大学生の就職活動に対する自己効力感と親との関連性
・幼児期の食育と大学生の食意識に関する調査
・大学生が生活場面で音楽を聴くときに大切にしていること
Q5. 先生の大学時代の楽しかった思い出は何ですか
大学では一生モノの友人に出遭いました。絵や漫画を描いて仲間と見せあったり、SF小説を読んで自分でも書いてみたり、ピアノ練習室にこもって好きな曲を弾いたり、コンサートにも出かけました 心理学の専門的な取り組みは大学院に進学してからですが、調査・実験も論文を書くのも創造的で楽しくて、学部生時代にいろいろ試行錯誤した「遊び」の経験が力になっていたと思います。 素晴らしい人間関係にも恵まれました!!
Q6. 受験生に人間社会学部に入学したら、どのような学生になってほしいですか
「学ぶ」の語源は「真似ぶ」、「習う」は「倣う」。学生さんには先輩や、教職員の取り組み方やワークスタイルに目を向けて、「真似て」「倣って」基礎を身につけて欲しいと思っています。「ならう」と、少しずつ自分が変わります。その過程を面白がってください。「お手本」も「師匠」も、いたるところに存在しています。自分が他者を楽しませて幸福にすることができる商品やサービスを創り出す主体になることを目指してください。
受験生に贈ることばは?
「今日だけが明日の過去」という事実を意識してみましょう。過去は変えられませんが、「明日の視点から見れば、今日が過去」なのです。変えられない過去を悔いて心配するより、今日をどのように生きるかが大切でしょう。